Ubiquitous Computing/IoTは、東京大学から、1984年に世界に先駆けて提唱した情報通信技術体系です。その先進性を活かして取り組んだ、21世紀COEプログラム「次世代ユビキタス情報社会基盤の形成」(平成16~20年度)の研究成果を引き継ぎ、平成21年には、研究拠点としてユビキタス情報社会基盤研究センター、教育拠点として学際情報学専攻・総合分析情報学コース(https://webpark5033.sakura.ne.jp/wp10)が設立されました。本センターでは、Ubiquitous Computingに関する世界最高の教育・研究拠点の中核を担うことを目的とし、Ubiquitous Computingを活用し、それを社会基盤化するために必要な技術や社会制度などを包括的に研究し、それを実社会に適用することによって、国内だけでなく、世界で顕在化している様々な社会問題の解決に向けて取り組んでいます。
データスペースプロジェクト/Data Space Projects
近年、急速なデジタル化と情報化が進む現代社会において、データが持つ価値と重要性がますます高まっています。これに伴い、データの収集、保存、管理、共有、活用のニーズが多様かつ複雑に増大しています。このような状況下で、データを効果的かつ安全に活用し、データ主権とデータトラストを実現するための新たなアプローチが求められており、それが「データスペース」(Dataspace)という概念です。
東京大学大学院情報学環・ユビキタス情報社会基盤研究センター(センター長:越塚登・東京大学大学院情報学環教授、2009年4月設立)は、ユビキタス情報技術やIoT(Internet of Things)技術を活用し、それを社会基盤として社会実装するために必要な技術や社会制度などを包括的に研究しています。研究成果を実社会に適用することによって、国内だけでなく世界で顕在化している様々な社会問題の解決に資することを目指しています。
当センターでは、新しいデータスペースの概念に基づいた情報通信システムの技術研究及び社会実装に向けた新しいプロジェクトを開始いたします。このプロジェクトは、国内外の主要なプレイヤである、一般社団法人データ社会推進協議会(DSA: Data Society Alliance, 会長:越塚登・東京大学大学院情報学環教授)と、ドイツIDSA(International Data Space Association)と連携協定(MoU)を締結して、国内外の企業や大学、研究機関と連携して推進いたします。今回新しく、以下の3つのプロジェクトを実施します。
- データスペース技術国際テストベッド
- IDSA Hub Coordinator, Japan
- IDSA Research Center, Japan
私たちは、データスペースの技術に関するプロジェクトを実施することによって、以下の目標を追求します。
- データの価値最大化: データスペースの技術を通じて、データの収集、統合、分析、共有が効率的かつ綿密に行えるようにし、個人、企業、社会全体のデータの価値を最大化します。
- プライバシーとセキュリティの保護: データスペースは、個人情報や機密情報を含むデータを適切に管理し、プライバシーとセキュリティを確保するための高度な手段を提供します。私たちは、データの収集と保管から共有と利用に至るまでのプロセス全体での保護を重視します。
- 学際的研究の推進: データスペースの実現には、情報技術、データベース、セキュリティ、法律、倫理など、多岐にわたる専門知識が必要です。私たちは異なる分野の専門家が共同で取り組む学際的な研究を推進し、新たな知識と解決策を生み出します。
- 社会への貢献: 私たちは、研究成果を社会に還元し、データ駆動型のイノベーションを促進します。産業界や行政、市民社会と連携し、データスペースの技術が持つ可能性を最大限に引き出します。
本プロジェクトにより、データスペースの概念を探求し、その実現に向けて先駆的な技術と知識を開発・提供することで、持続可能な未来に向けた新たな道を切り拓くとともに、社会全体のデータ利活用の在り方を変革していくことを目指します。私たちは、データスペースの可能性を信じ、その実現に向けて情熱と責任をもって取り組みます。
(1) データスペース技術国際テストベッド(ITDT: International Testbed of Dataspace Technologies)
データスペース技術国際テストベッドは,データスペース技術の国際連携した産官学が実システムを用いて実証的研究の実施を支援するためのプラットフォームシステムを構築・運用することを目的としています。そこで,国内外のデータスペースの構築・運用を目指すプレイヤと連携し、以下の研究開発を実施します。
- コネクタやブローカーを含む、分散連邦型データ基盤のテストベッドシステムを構築・運用
- 多様な分散連邦型データ基盤システムを相互運用するための技術の研究開発
- その他、データスペース構築に必要な技術検証を支援するシステムの構築・運用
- 分散連邦型データ基盤システム技術のユースケースの創出研究
- 分散連邦型データ基盤システム技術の移転活動(イベント、トレーニング、コンサルティング、出版、オリエンテーション)
→データスペース技術国際テストベッドのページはこちらです。
(2) IDSA Japan Hub
IDSA Japan Hubでは、,ドイツのIDSA(International Data Space Association)とともに、一般社団法人データ社会推進協議会(DSA: Data Society Alliance)と連携し、以下の活動を行っています。
→IDSA Japan Hubのページはこちらです。
IDSA Hub Coordinator, Japan
IDSA Hub Coordinator, Japanは,データ経済の実現を目指す様々なプレイヤ間のデータ共有において、データ主権及びデータトラストを確保するデータスペースの研究開発及び社会実装に向けた取り組みの実施を目的としています。IDSA Hub Coordinator, Japanでは,次の事項を実施します。
- International Data Space(以下、IDS)の標準技術の利活用拡大
- IDSの標準技術の賛同者の拡大
- 日本における産業や政策関係者を含むデータスペース・エコシステムとIDSAの連携・調整
- IDSの標準技術の移転活動(イベント、トレーニング、コンサルティング、出版、オリエンテーション)
- IDS技術を含むデータスペース技術のショールームの構築
- データスペースの研究開発プロジェクトの実施
IDSA Research Center, Japan
IDSA Research Center, Japanは,繁栄するデータ経済の実現を目指す様々なプレイヤ間のデータ共有において、データ主権及びデータトラストを確保するデータスペースに関する学術研究の実施を目的としています。IDSA Research Center, Japanは、次の事項を実施します。
- 欧州と日本の産学連携による研究プロジェクトの実施
- IDS標準技術を用いたシステムと日本国内の他のデータ連携プラットフォームシステムとの相互運用技術の研究
- IDS標準技術のユースケースの創出研究
- 安全で信頼できるデータ共有のためのIDS標準技術を用いたデータスペース間環境の構築
- IDS標準技術のコンポーネントと日本のデータ連携プラットフォームシステムのコンポーネントを含むテストベッドシステムの運用と提供
(3) Asia Open Data Partnership (AODP) との連携活動
東京大学情報学環オープンデータセンター(UTODC)
日本の自治体がオープンデータ化または、EBPM (Evidence-Based Policy Management) に取り組むためのテストベッド環境の提供、及び人材育成プログラムを、産官学共同ですすめています。
→センターのページはこちらです。
過去のプロジェクト等
→終了したプロジェクト等に関してはこちらをご覧ください。
組織概要
設置年月日
平成21年 4月 1日
名称
ユビキタス情報社会基盤研究センター
センター長
越塚 登・教授
設置形態
大学院情報学環 附属研究施設
担当教職員
- 教授 越塚 登(兼務)
- 教授 暦本 純一(兼務)
- 准教授 羽多野一磨(兼務)
- 特任准教授 濱田 健夫(兼務)
- 特任講師 葛 杭麗(兼務)
- 助教 横窪 安奈(兼務)
- 特任助教 清家 大嗣(兼務)
客員研究員(ITDI担当)
- 客員研究員 角井健太郎
- 客員研究員 金子 崇之
- 客員研究員 土橋 昌
- 客員研究員 濵野賢一朗
- 客員研究員 北條 真史
- 客員研究員 善入 弘尊
- 客員研究員 川嶋 猛
- 客員研究員 庄司 諒
- 客員研究員 櫟原 英士
- 客員研究員 林 政和
Founder
- 名誉教授 坂村健(現、東洋大学INIAD学部長)