2017年度総合分析情報学研究法Ⅱ(卓越講義IoXシリーズ)

東京大学大学院学際情報学府 卓越講義IoX
総合分析情報学研究法Ⅱ

担当:越塚登、住友貴広
時間:A2ターム、木曜5限(16:50-18:35)
場所:ダイワハウス石橋信夫記念ホール(ダイワユビキタス学術研究館) 他


概要

近年、IT基盤の整備に伴い膨大で多様なデジタル情報が得られるようになった。分析情報学とは、このようにして得られたデジタル情報を、広い視野と複数の角度から複眼的に分析する新しい研究分野である。本科目では、状況認識技術やそれによって得られた膨大なデジタル情報を他の様々な分野に適用する応用を扱う。 総合分析情報学コースの教員及び、学外より専門家の方々をお招きして、現在の先端的な情報通信技術やそれを利活用できる様々な応用分野、そのビジネスや政策を含め、幅広い内容をダイジェストで講義します。


第1回(11月30日)「初音ミクがなぜ世界で支持されるのか」

伊藤 博之 氏
クリプトン・フューチャー・メディア(株)代表取締役

【講師経歴】

北海道大学に勤務の後、1995年7月札幌市内にてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社を設立。世界各国に100数社の提携先を持ち、3000万件以上のサウンドコンテンツは世界でも最大級。DTMソフトウエア、音楽配信アグリゲーター、3DCG技術など、音を発想源としたサービス構築・技術開発を日々進めている。「初音ミク」の開発会社としても知られている。北海学園大学経済卒。NoMaps実行委員長、北海道情報大学客員教授も兼任。2013年に藍綬褒章を受章。

【講義概要】

初音ミクは、実在しないにも関わらず、10万曲以上の”持ち歌”があり、何百万という動画に登場し、また世界各国でコンサートを行い、各会場では何千人もの観客を集めます。オペラや歌舞伎の舞台にあがることも、LadyGagaはじめ著名なアーティストと舞台をともにすることもあります。なぜ、初音ミクがこれほどまでに世界で支持されるのか?本講義では、その背景について紐解いて参ります


第2回(12月7日)

宮川 晋 氏
NTTコミュニケーションズ(株)
経営企画部IoT推進室 室長(本務)
技術開発部および第三営業本部 理事 担当部長(兼務)

【講師経歴】

  • 1995年 東京工業大学理工学研究科情報工学専攻 博士(工学)
  • 同年 日本電信電話株式会社入社 ソフトウェア研究所(当時)配属
  • 1997年 NTT Multimedia Communications Laboratories
    (米国シリコンバレー:現在NTTi3)
  • 2002年 NTTコミュニケーションズ株式会社
    先端IPアーキテクチャセンタ(現:技術開発部)
  • 現在  同社 マクラーレン推進プロジェクトチーム
    東京工業大学および名古屋大学 非常勤講師
    慶應義塾大学SFC研究所 上席研究員(訪問)
    日本学術振興会第192委員会(サイバーセキュリティ)幹事

【講義概要】

IoT (Internet of things) とは何か、なぜ最近特に取りざたされているのか、また、企業がどのような目的をもってIoTに取り組んでいるのか、現状できていることと現状での課題、そしてその解決策について考える。また並行して最新の通信技術の動向、サイバーセキュリティの現状などを報告する。


第3回 「テクノロジーで未来を創る」(12月21日)

鎌田 富久 氏
TomyK代表 / 株式会社ACCESS共同創業者

※ 場所:工学部2号館9階教室

【講師経歴】

東京大学大学院 理学系研究科情報科学 博士課程修了。理学博士。東京大学在学中の1984年にソフトウェアのベンチャー企業ACCESS社を設立。組込み向けTCP/IP通信ソフトや、世界初の携帯電話向けウェブブラウザなどを開発。携帯電話向けのコンパクトなHTML仕様「Compact HTML」をW3C(World Wide WebConsortium)に提案するなど、モバイルインターネットの技術革新を牽引した。2001年に東証マザーズに上場し、グローバルに事業を展開。2011年に退任。その後、スタートアップを支援するTomyKを設立し、ロボットベンチャーSCHAFT(米Googleが買収)の起業を支援するなど、IoT(Internet of Things)、ロボット、AI、宇宙、ゲノム、医療などのテクノロジー・ベンチャーを多数立ち上げ中。

【講義概要】

「テクノロジーで未来を創る」大学での研究成果や最先端のテクノロジーを実用化し、事業を起こして社会に貢献する。大量生産・大量消費の20世紀型モデルが崩れ、世界は無駄をなくし、環境にやさしい持続可能な新たなモデルを模索している。未来は、若者たちによるイノベーションにかかっている。スタートアップを起業して、テクノロジーで世界を変えるのも1つの方法だ。本講義では、世界が直面している社会課題、技術革新が期待される領域、起業という選択肢、テクノロジー・スタートアップの事例といった話題について紹介する。


第4回 「2020年ワイヤレスは、スーパーインフラになる!」(1月11日)

渡辺 克也 氏
総務省 総合通信基盤局長

【講師経歴】

  • 1984年 慶応義塾大学工学部卒業
  • 1984年 郵政省入省
  • 1998年 電気通信局マルチメディア移動通信推進室長
  • 2001年 総務省情報通信政策局研究推進室長
  • 2003年 独立行政法人通信総合研究所 主管
  • 2004年 独立行政法人情報通信研究機構 統括
  • 2005年 総合通信基盤局電気通信事業部 電気通信技術システム課長
  • 2007年 総合通信基盤局電波部移動通信課長
  • 2008年 総合通信基盤局電波部電波政策課長
  • 2011年 情報通信国際戦略局情報通信政策課長
  • 2013年 大臣官房審議官(情報流通行政局担当)
  • 2015年 総合通信基盤局電波部長2017年 現職

【講義概要】

「2020年ワイヤレスは、スーパーインフラになる!」 今日、携帯電話が国民に広く普及するとともに、様々な社会インフラに電波が活用されており、無線通信ネットワークは、国民の日常生活や我が国の社会経済活動において重要な基盤となっている。加えて、あらゆる「モノ」がインターネットに接続され、相互に情報を交換し制御を行うIoT(Internet ofThings)が進展していく中において、医療・農業・交通等様々な分野で多様な形での電波利用が生まれることが予想されており、新たな電波利用のニーズに応えたビジネスを創出し、その推進を促す環境を整備することが、我が国経済の成長にとって重要な要素となっている。 また、我が国では、2020 年に世界の注目が集まる東京オリンピック・パラリンピック競技大会が開催される予定であり、成熟社会における先進的な取組を世界に示す契機となるこの節目の年に向けて、社会経済に新たなイノベーションを起こす基盤として電波を更に活用していくことが期待されている。 このような状況を踏まえ、2020 年に向けた我が国のワイヤレスサービスの展望とその実現に向けた課題について、紹介できればと考えている。


第5回(1月18日)

中尾 敏康 氏
NEC デジタル戦略本部 本部長

【講師経歴】

1993年大阪大学大学院基礎工学研究科数理系情報工学専攻前期課程修了。同年NEC入社、画像処理、人と環境のセンシング、ユビキタスサービス、自然言語処理/データマイニングの研究開発を経て、2014年よりNEC ビッグデータ戦略本部にて、NEC独自の人工知能技術を活用したビッグデータ事業の戦略立案・企画・開発に従事。2017年より現職。NECのデジタルトランスフォーメーション関連事業の戦略立案・企画を担当。情報処理学会、電子情報通信学会会員

【講義概要】

AI(人工知能)やIoTの進化、クラウドの普及、SNSの浸透、共有型経済の拡大など、”デジタルトランスフォーメーション”と呼ばれる大きな変化が起きています。社会やビジネス、暮らしがどう変わっていくのかを事例を交えて解説します。また、最先端の研究開発成果や共創活動など、デジタルトランスフォーメーションを加速し、新たな価値を生み出すためのNECの取り組みをご紹介します。


第6回(1月25日)

中川 剛志 氏
東日本旅客鉄道(株)総合企画本部 技術企画部イノベーション・エコシステムプロジェクト 次長

【講師経歴】

1991年東日本旅客鉄道株式会社に入社し、通信業務の保守・工事に従事。2001年よりフロンティアサービス研究所にてICTに関する研究開発を推進。2014年5月より本社総合企画本部技術企画部にて技術開発におけるオープンイノベーションを担当する。

【講義概要】

東日本旅客鉄道では、昨年11月8日に「技術革新中長期ビジョン」を策定しました。当ビジョンでは「モビリティ革命」の実現をめざし、IoT・ビッグデータ・AI等最先端技術を活用してお客さま視点のサービス創造と新しい価値を生み出していきます。本講義では上記ビジョンの概要と、具体的な技術開発の取組みについてご紹介します。