本機構は、具体的に以下の3つの柱をもって研究を推進する。ただし、これらの3つの柱は互いに独立したものではなく、相互に強く連携して実施する。

EdTech4UT

EdTech4UTは、東京大学における専門教育に適用し、本学の学生であれば、いつでもどこでも誰でもが専門性の高い高水準の学習環境・教育環境にアクセスできることに資する研究を行う。具体的には、以下の項目を実施する予定である。

  • ラーニング・アナリティクスシステムやeポートフォリオシステムを活用した全学的な教育改善の仕組みに関する研究
  • 教員の負担の大きい科目のオンライン化支援により、大学のグローバル化、アクセシビリティの向上や教育負担の軽減を実現する仕組みの構築
  • 従来の講義だけでは対応しきれない学習ニーズに対応した多様な学習支援のための環境の提案
  • MOOCなどのオンライン教育の質を高める技術や教育手法の研究
  • 教育の質向上と効率化に関連するFDプログラムの開発・実施および評価

EdTech x AI

EdTech x AIは、特に、実技を伴う語学学習や楽器演奏、スポーツの現場において、IoTの技術を最大限に活用して実技者から集められたデータ(訓練履歴・達成履歴などを含む)をAIで解析・分析し、その成果をフィードバックするサイクルの仕組みを確立することで、質の高い「トレーナー」をコンピュータによって実現しようとする研究である。

EdTech4KIDS

EdTech4KIDSは、コンピュータ・サイエンスやデータサイエンス、教育心理学などを含めた学際的観点から、初等中等教育課程におけるプログラミング学習やSTEM(Science, Technology, Engineering, Mathematics)教育の新しい方法論を確立し、2020年度に始まる小学校、2022年に始まる中学校における指導要領の改訂、特にプログラミング教育の導入を支援するための研究を実施する。特にセキュリティーが強く求められるデータ(学習履歴等)は、SINET等の学術連携基盤を活用して、安全かつ利便性の高いデータ駆動型の新しい学習環境を研究する(例:高知IoTクラブとの連携事業等)。

本研究事業で開発された手法を実際の教育の現場に適用して実践する。具体的な現場としては、まず第一に本学における授業である。更に、実際に子供向けのプログラミング教室や社会人向けのリカレント教育の実験的コースを、本機構が外部組織と連携して開設・運営を行うことで、当該手法の評価及びフィードバックを行う。